当サイトでは、アジア・アフリカ言語文化研究所「言語研修」で用いた教材を利用し4つの言語(モンゴル語、ジンポー語、バリ語、アカン語)のオンライン教材を提供しています。

アカン語

アカン語は、ガーナ共和国南部アシャンティ州を中心に、セントラル州、イースタン州、ウェスタン州、ブロン・アハフォ州で話される、ニジェール・コンゴ語族クワ語派の言語です。「アカン語」というのは言語学的、公的な名称で、現地の人々は「チュィー」と呼んでいます。 アサンテ方言、ファンテ方言、アクアペム方言、アゴナ方言、ダンチラ方言、アセン方言、アチェム・ボソメ方言、クヮウ方言、アハフォ方言の9 方言に下位分類され、そのうちアサンテ方言、ファンテ方言、アクアペム方言の3 大方言が総話者人口830 万人の約60%を占めます。この3 大方言の中でもアサンテ方言は280 万人(総和者人口の約34%)に話され、事実上の標準語の機能を担いつつあります (Gordon, R. G. ed. (2005) Ethnologue: Languages of the World 15thedition, Dallas, Texas: SIL International)。本テキストはこのアサンテ方言を対象としており、アシャンティ州の州都クマシ出身のアンポンサーさんによる発音をもとにしています。なお、これらの異なる方言話者間の相互理解は、問題ないといわれています。 アカン語は、ガーナの圧倒的多数派であるアカン族の母語で、第二言語として用いる人も含めると、ガーナ国民の過半数によって話されます。このため、70 以上の言語を抱えるガーナで、アカン語は広く共通語として機能しています。ガーナの(事実上の)公用語は英語ですが、実際にはアカン語の方が通用度はずっと高いのです。 アカン語は言語学的にも興味深い言語です。母音調和が顕著で、今ではよく知られるATR(Advanced Tongue Root: 舌根の前寄り)という用語はアカン語の研究から生まれました。また、動詞の活用形や所有名詞句における複雑な声調現象は、言語研究者を魅 了します。 それでは、アカン語の世界への扉を開きましょう! このレッスンは2009年度言語研修「アカン語」で用いた以下の教材のうち(1)に基づいて構成されています。 (1) 古閑恭子, サミュエル・アンポンサー. 2009. <a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/95123" target="_blank">Let's study Akan!  = Ma yẹnsũã Twii!</a> 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (2) 古閑恭子. 2009. <a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/95122" target="_blank">Akan Vocabulary </a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

モンゴル語

モンゴル語はモンゴル国のほかに、中国の内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、甘粛省、青海省、吉林省などに居住するモンゴル人によって話されています。また、ロシア連邦のブリヤート共和国などで話されているブリヤート語、カルムイク共和国で話されているカルムイク語も広い意味ではモンゴル語の方言に数えられます。モンゴル語全体の話者数は700 万人ぐらいと推定されます。 モンゴル語はアルタイ諸言語の一つで、日本語と同じく膠着型の言語です。語順もSOV で、文法が日本語とかなり似ているので、日本人にとっては学びやすい言語です。 現在、モンゴル国ではモンゴル語を書き表すのにロシア語で用いられるのと同じ、キリル文字を用いています。とはいえ完全にロシア語と同じではなく、ө とү の二つの母音字が加えられた35種類の文字からなっています。モンゴル人は歴史的に独自の縦書きのモンゴル文字を少なくとも800 年以上使用していましたが、旧ソ連の強い影響を受け、モンゴル国では、1942 年ごろからこのキリル文字表記に切り替えました。一方、中国領になった内モンゴル自治区では、今もなお伝統的な縦書きのモンゴル文字を使用しています。 このレッスンは2008年度言語研修「モンゴル語」で用いた以下の教材に基づいて構成されています。 呉人 徳司, Хүнбиш Дэлгэрмаа (Dėlgėrmaa, Khu̇nbish). 2009.<a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/95135" target ="_blank">「2008年度言語研修モンゴル語テキスト モンゴル語で話そう」</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

ジンポー語

ジンポー語は、ミャンマー北部カチン州、中国雲南省徳宏傣族景頗族自治州、インド北東部アッサム州などで話される言語です。この言語は、ミャンマーの少数民族であるカチン人の言語の1つです。カチン人は言語的に多様な人々であり、カチン社会では互いに通じないほど異なる多くの言語が話されています。ジンポー語は、カチンの共通語として通用しており、カチンの人々を結びつける1つの紐帯の役割を担っています。そのため「カチン語」という名称でも知られています。カチン人は中国では景頗族として知られています。 言語系統的に、ジンポー語はシナ・チベット語族チベット・ビルマ語派に属し、中国語、ビルマ語、チベット語、カレン語、羌語、西夏語などを含む、250以上の言語と共通の祖先を有しています。ジンポー語は、地理的にチベット・ビルマ語圏の中心に位置しており、この言語群の言語多様性の中心に位置すると言われることもあります。ジンポー語は、ほかの東南アジア大陸部諸語とも多くの接点を持ち、同地域に広く見られる言語特徴を示します。類型的・地域的に重要な特徴として、声調と発声、重複と複合、OV語順、主格・対格型格配列、示差的目的語標示、動詞連続、アスペクト・ムードの卓立、主題の卓立、文法的体言化、精巧表現とサイコ・コロケーションなどがあげられます。 このコースは2019年度言語研修「ジンポー語」で用いた以下の教材のうち(1)と(2)に基づいて構成されています。 (1) 倉部慶太. 2020. <a href="https://publication.aa-ken.jp/jinghpaw_grammar_ilc2019.pdf" target="_blank">『ジンポー語文法入門』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (2) 倉部慶太. 2020. <a href="https://publication.aa-ken.jp/jinghpaw_reader_ilc2019.pdf" target="_blank">『ジンポー語読本』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (3) 倉部慶太. 2020. <a href="https://publication.aa-ken.jp/jinghpaw_dictionary_ilc2019.pdf" target="_blank">『ジンポー語用例辞典』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

バリ語

バリ語は、インドネシアのバリ島全域とその周辺(プニダ島、ロンボク島マタラム市周辺など)で話されている言語で話者はおよそ330 万人です。 多民族国家インドネシアでは共通語として国語インドネシア語が行政や教育などの公の言語として用いられていますが、家庭内やインフォーマルな場では民族のことばであるバリ語が使われています。またバリ語は「地域科目」の一つとして小学校・中学校・高校で教えられています。 バリ語には、「普通体」と「丁寧体」というスタイルの区別があります。このスタイルの使い分けは、会話の場や会話の相手によって決まり、いずれのスタイルが用いられるかによって語彙がシステマティックに使い分けられます。 (詳しくは教科書の第1章を御参照ください)。このレッスンでは、外国人が最初に用いる際に適切な形である丁寧体を中心に取り上げる一方で、一つ一つの例文に対して対応する普通体の文も付記しました。(普通体の文の冒頭には(普通体)と表示してあります。) このレッスンは2002年言語研修「バリ語」で用いた以下の教材のうち(1)に基づいて構成されています。 (1) 塩原朝子, 原真由子, I Gusti Made Sutjaja. 2002. <a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/106488" target="_blank">「バリ語文法・会話」</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (2) 原真由子, I Gusti Made Sutjaja. 2002. 「バリ語語彙集」. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

ムンダ語

ムンダ語(Mundari)はインド共和国のジャールカンド州を中心として、隣接するオディシャ州や西ベンガル州、チャッティスガル州に分布しています。話者人口は2011年国勢調査によると、Mundari 1,128,228です。しかしMundaとして505,922が同じ国勢調査に、登録されています。この英語によるMundariとMundaの言語名はよく混同されて使用されていますが、実際には同じ言語をさしています。したがって、ムンダ語の話者人口は150万人をこえます。 (なお、言語学ではMundariはこの教材で扱う個別言語ムンダ語をさし、Mundaは系統を同じくするムンダ諸語、あるいはムンダ語族をさします。) ムンダ語にはハサダ方言、ナグリ方言、タマル方言、ケラ方言の四つの方言がありますが、この教材ではハサダ方言を扱います。 このコースは2021年度言語研修「ムンダ語」で用いた以下の教材に基づいて構成されています。 (1) 長田俊樹 & Madhu Purti. 2022. <a href="https://publication.aa-ken.jp/munda_ilc2021.pdf" target="_blank">『ムンダ語 夏期言語研修ムンダ語教本』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

アカン語

アカン語は、ガーナ共和国南部アシャンティ州を中心に、セントラル州、イースタン州、ウェスタン州、ブロン・アハフォ州で話される、ニジェール・コンゴ語族クワ語派の言語です。「アカン語」というのは言語学的、公的な名称で、現地の人々は「チュィー」と呼んでいます。 アサンテ方言、ファンテ方言、アクアペム方言、アゴナ方言、ダンチラ方言、アセン方言、アチェム・ボソメ方言、クヮウ方言、アハフォ方言の9 方言に下位分類され、そのうちアサンテ方言、ファンテ方言、アクアペム方言の3 大方言が総話者人口830 万人の約60%を占めます。この3 大方言の中でもアサンテ方言は280 万人(総和者人口の約34%)に話され、事実上の標準語の機能を担いつつあります (Gordon, R. G. ed. (2005) Ethnologue: Languages of the World 15thedition, Dallas, Texas: SIL International)。本テキストはこのアサンテ方言を対象としており、アシャンティ州の州都クマシ出身のアンポンサーさんによる発音をもとにしています。なお、これらの異なる方言話者間の相互理解は、問題ないといわれています。 アカン語は、ガーナの圧倒的多数派であるアカン族の母語で、第二言語として用いる人も含めると、ガーナ国民の過半数によって話されます。このため、70 以上の言語を抱えるガーナで、アカン語は広く共通語として機能しています。ガーナの(事実上の)公用語は英語ですが、実際にはアカン語の方が通用度はずっと高いのです。 アカン語は言語学的にも興味深い言語です。母音調和が顕著で、今ではよく知られるATR(Advanced Tongue Root: 舌根の前寄り)という用語はアカン語の研究から生まれました。また、動詞の活用形や所有名詞句における複雑な声調現象は、言語研究者を魅 了します。 それでは、アカン語の世界への扉を開きましょう! このレッスンは2009年度言語研修「アカン語」で用いた以下の教材のうち(1)に基づいて構成されています。 (1) 古閑恭子, サミュエル・アンポンサー. 2009. <a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/95123" target="_blank">Let's study Akan!  = Ma yẹnsũã Twii!</a> 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (2) 古閑恭子. 2009. <a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/95122" target="_blank">Akan Vocabulary </a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

モンゴル語

モンゴル語はモンゴル国のほかに、中国の内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、甘粛省、青海省、吉林省などに居住するモンゴル人によって話されています。また、ロシア連邦のブリヤート共和国などで話されているブリヤート語、カルムイク共和国で話されているカルムイク語も広い意味ではモンゴル語の方言に数えられます。モンゴル語全体の話者数は700 万人ぐらいと推定されます。 モンゴル語はアルタイ諸言語の一つで、日本語と同じく膠着型の言語です。語順もSOV で、文法が日本語とかなり似ているので、日本人にとっては学びやすい言語です。 現在、モンゴル国ではモンゴル語を書き表すのにロシア語で用いられるのと同じ、キリル文字を用いています。とはいえ完全にロシア語と同じではなく、ө とү の二つの母音字が加えられた35種類の文字からなっています。モンゴル人は歴史的に独自の縦書きのモンゴル文字を少なくとも800 年以上使用していましたが、旧ソ連の強い影響を受け、モンゴル国では、1942 年ごろからこのキリル文字表記に切り替えました。一方、中国領になった内モンゴル自治区では、今もなお伝統的な縦書きのモンゴル文字を使用しています。 このレッスンは2008年度言語研修「モンゴル語」で用いた以下の教材に基づいて構成されています。 呉人 徳司, Хүнбиш Дэлгэрмаа (Dėlgėrmaa, Khu̇nbish). 2009.<a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/95135" target ="_blank">「2008年度言語研修モンゴル語テキスト モンゴル語で話そう」</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

ジンポー語

ジンポー語は、ミャンマー北部カチン州、中国雲南省徳宏傣族景頗族自治州、インド北東部アッサム州などで話される言語です。この言語は、ミャンマーの少数民族であるカチン人の言語の1つです。カチン人は言語的に多様な人々であり、カチン社会では互いに通じないほど異なる多くの言語が話されています。ジンポー語は、カチンの共通語として通用しており、カチンの人々を結びつける1つの紐帯の役割を担っています。そのため「カチン語」という名称でも知られています。カチン人は中国では景頗族として知られています。 言語系統的に、ジンポー語はシナ・チベット語族チベット・ビルマ語派に属し、中国語、ビルマ語、チベット語、カレン語、羌語、西夏語などを含む、250以上の言語と共通の祖先を有しています。ジンポー語は、地理的にチベット・ビルマ語圏の中心に位置しており、この言語群の言語多様性の中心に位置すると言われることもあります。ジンポー語は、ほかの東南アジア大陸部諸語とも多くの接点を持ち、同地域に広く見られる言語特徴を示します。類型的・地域的に重要な特徴として、声調と発声、重複と複合、OV語順、主格・対格型格配列、示差的目的語標示、動詞連続、アスペクト・ムードの卓立、主題の卓立、文法的体言化、精巧表現とサイコ・コロケーションなどがあげられます。 このコースは2019年度言語研修「ジンポー語」で用いた以下の教材のうち(1)と(2)に基づいて構成されています。 (1) 倉部慶太. 2020. <a href="https://publication.aa-ken.jp/jinghpaw_grammar_ilc2019.pdf" target="_blank">『ジンポー語文法入門』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (2) 倉部慶太. 2020. <a href="https://publication.aa-ken.jp/jinghpaw_reader_ilc2019.pdf" target="_blank">『ジンポー語読本』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (3) 倉部慶太. 2020. <a href="https://publication.aa-ken.jp/jinghpaw_dictionary_ilc2019.pdf" target="_blank">『ジンポー語用例辞典』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

バリ語

バリ語は、インドネシアのバリ島全域とその周辺(プニダ島、ロンボク島マタラム市周辺など)で話されている言語で話者はおよそ330 万人です。 多民族国家インドネシアでは共通語として国語インドネシア語が行政や教育などの公の言語として用いられていますが、家庭内やインフォーマルな場では民族のことばであるバリ語が使われています。またバリ語は「地域科目」の一つとして小学校・中学校・高校で教えられています。 バリ語には、「普通体」と「丁寧体」というスタイルの区別があります。このスタイルの使い分けは、会話の場や会話の相手によって決まり、いずれのスタイルが用いられるかによって語彙がシステマティックに使い分けられます。 (詳しくは教科書の第1章を御参照ください)。このレッスンでは、外国人が最初に用いる際に適切な形である丁寧体を中心に取り上げる一方で、一つ一つの例文に対して対応する普通体の文も付記しました。(普通体の文の冒頭には(普通体)と表示してあります。) このレッスンは2002年言語研修「バリ語」で用いた以下の教材のうち(1)に基づいて構成されています。 (1) 塩原朝子, 原真由子, I Gusti Made Sutjaja. 2002. <a href="http://repository.tufs.ac.jp/handle/10108/106488" target="_blank">「バリ語文法・会話」</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. (2) 原真由子, I Gusti Made Sutjaja. 2002. 「バリ語語彙集」. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.

ムンダ語

ムンダ語(Mundari)はインド共和国のジャールカンド州を中心として、隣接するオディシャ州や西ベンガル州、チャッティスガル州に分布しています。話者人口は2011年国勢調査によると、Mundari 1,128,228です。しかしMundaとして505,922が同じ国勢調査に、登録されています。この英語によるMundariとMundaの言語名はよく混同されて使用されていますが、実際には同じ言語をさしています。したがって、ムンダ語の話者人口は150万人をこえます。 (なお、言語学ではMundariはこの教材で扱う個別言語ムンダ語をさし、Mundaは系統を同じくするムンダ諸語、あるいはムンダ語族をさします。) ムンダ語にはハサダ方言、ナグリ方言、タマル方言、ケラ方言の四つの方言がありますが、この教材ではハサダ方言を扱います。 このコースは2021年度言語研修「ムンダ語」で用いた以下の教材に基づいて構成されています。 (1) 長田俊樹 & Madhu Purti. 2022. <a href="https://publication.aa-ken.jp/munda_ilc2021.pdf" target="_blank">『ムンダ語 夏期言語研修ムンダ語教本』</a>. 府中: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.